痛い!しみる!つらい口内炎を早く治すには

痛い!しみる!つらい口内炎を早く治すには

「口内炎がいくつもできて食事がつらい」という経験をしたことがある人もいれば、「口内炎になった記憶がほとんどない」という人もいるでしょう。口内炎ができやすい人、できにくい人、どんなときにできやすいのかをご存じですか?
口内炎ができたときの身体の状態や早く治すためのポイントを紹介します。

疲れのせい?口内炎がよくできるのはなぜ?

口のなかの粘膜にできる炎症をまとめて口内炎といいます。厳密には、舌にできれば舌炎、歯ぐき(歯肉)では歯肉炎、唇では口唇炎といいます。

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ひとくちに口内炎といっても、原因や口内炎の種類は異なります。

なかでももっとも多くみられるのが、粘膜の一部が赤く腫れて白っぽい膜におおわれるアフタ性口内炎です。

 

アフタ性口内炎は、睡眠不足やストレス、栄養バランスの乱れなど、身体の抵抗力の低下に伴ってできることが多く、頻繁にできる場合は、生活習慣自体の見直しが必要といえるでしょう。

 

何もしなくても5〜10日くらいで自然に治りますが、ひどくなると痛みのあまり食事や会話もままならないケースがあります。

【口内炎のタイプ】

タイプ 形状 症状 原因
アフタ性口内炎 数ミリ程度の円や楕円の白っぽい潰瘍。周囲は赤い 強い痛み 免疫力の低下や栄養障害、ストレス、粘膜の損傷など
単純(カタル)性口内炎 境界のはっきりしない炎症 粘膜が腫れて表面が硬くなる 義歯が当たる、口内を噛む、やけどなど
カンジダ性口内炎 白い苔状 痛みがある ストレスや加齢などで唾液分泌量の低下し、口内の常在菌であるカンジダ菌が増える
アレルギー性口内炎 赤く腫れる 痛みはない 歯に装着した金属や薬、食物によるアレルギー反応
ニコチン性口内炎 口内の粘膜が白くなり赤い斑点が出る 痛みはないが食物がしみることも たばこに含まれるニコチンにより粘膜に傷がつくなど

 

病院を受診する必要がある口内炎とは?

口内炎は、ほとんどの場合数日で自然に治りますが、別の病気や全身疾患のサインとして口内炎が表れていることもあります。
口内炎が何度もできる、なかなか治らない(2週間以上)といった、「いつもと違う」と感じる口内炎のときには、病院を受診しましょう。

〇舌がん、歯肉がん、口腔がん

舌や頬の粘膜、歯ぐきの一部が白くなります。次第に範囲が広がり、白い部分が厚くなったり、ただれた状態になったり、硬いしこりができた場合には舌がんの可能性もあります。また、舌や歯ぐきなどの一部だけが真っ赤に腫れた状態になり、あきらかに周囲と色が違う場合も要注意です。

〇ベーチェット病

口の粘膜に白い米粒大の口内炎ができます。同時に外陰部に潰瘍ができたり、皮膚にしこりができたり、目に痛みや充血などがみられるのが特徴です。ベーチェット病は国の指定難病になっている原因不明の病気です。

〇手足口病

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス感染により、口のなかや手足に水疱ができる病気です。5歳以下の乳幼児に感染することがほとんどですが、まれに大人が感染すると、口内炎や高熱、筋肉痛、関節痛などの症状が表れます。

このほか、口唇にできるウイルス性の口内炎に単純ヘルペスウイルスがあります。

口内炎をつくらない、早く治す方法

①丈夫な粘膜を保つ

栄養バランスが悪くなると皮膚や粘膜にトラブルが起こりやすくなって口内炎ができやすくなります。とくにアフタ性口内炎の場合は、栄養バランスの乱れが原因となるため、口のなかが荒れやすい人は注意しましょう。

ビタミンB群は粘膜の保護や皮膚の新陳代謝を助け、ビタミンCやミネラル類は免疫力を上げる働きがあります。ビタミンをはじめ、栄養をバランスよくとることで粘膜を丈夫にし、口内炎を予防したり、早く治したりすることができます。

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②口のなかに傷をつくらない

義歯が合わなかったり、かみ合わせが悪かったりすると食事や会話のときに舌や唇をかみやすくなります。それが原因で口のなかに傷ができてしまうと口内炎の原因になります。繰り返す場合には、歯科医に相談して歯の状態を確認してもらい、義歯をつくり直すなどの対応が必要です。

③細菌が増殖しないようにする

毎食後に歯をきちんと磨いたつもりでも、磨き残しがあれば細菌は口のなかで増殖します。口のなかに細菌がたまると、口内炎ができやすくなり、増殖した細菌が、口のなかにできた小さな傷やできものに付着すると、口内炎が悪化する原因にもなります。

歯みがきのほか、こまめに口をゆすぐ、フェイスラインをマッサージして唾液で口のなかを潤すなどの対策で、細菌が増えるのを防ぎましょう。常に口のなかの環境をよくしておくことが大切です。

口内炎のセルフケア

口内炎ができてしまったら、できるだけ早く治したいものです。もっとも大切なのは、食生活を中心とした生活習慣の改善ですが、市販薬などを利用することで症状を軽減させることもできます。
 

  • 市販のトローチや口腔用ステロイド軟膏や貼り薬
  • うがい剤を使った口のなかの殺菌
  • 口のなかを乾燥させないように鼻呼吸を心がける。鼻の病気がある場合は耳鼻咽喉科を受診する
  • 睡眠と食事をしっかりとる
  • ストレスをためない。ストレスが強い場合は心療内科に相談する
  • 歯みがきはゆっくりと行い、口のなかに傷をつけないようにする

 

口内炎がつらいときはどの診療科に行けばいい?

口内炎をすぐに治したい、痛みで日常生活に支障がある場合は、歯科でレーザー治療を受ける方法もあります。レーザーの熱で粘膜の表面にかさぶたをつくることで痛みが軽減され、傷の治りが早くなります。

 

また、耳鼻咽喉科や口腔外科、内科などでも口内炎の治療を受けることができます。口内炎が長引いたり、痛みがつらかったりする場合はがまんせずに受診しましょう。子どもは、かかりつけの小児科に相談してください。

ここがポイント

  • アフタ性口内炎は、睡眠不足やストレス、栄養バランスの乱れが主な原因
  • 義歯や口のなかにできた傷が原因になることもある
  • 長引く口内炎は舌がんやベーチェット病など、別の病気の可能性がある
  • 栄養バランスを整え、口のなかに傷ができるのを防ぐことが予防になる
  • 市販薬などを使っても改善しない場合は歯科や耳鼻咽喉科で治療を
  •  
  • 参考資料

 

日本耳鼻咽喉科学会:口腔・咽頭の病気 口内炎

http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/kuchi_disease.html

江上一郎著:すべての不調は口から始まる.集英社,2020.

周東寛著:死ぬまで元気で楽しく食べられる・話せる 最強の「お口ケア」.コスモ21,2017.

宮崎滋(みやざき しげる)

宮崎滋
(みやざき しげる)

公益財団法人結核予防会総合健診推進センター所長
https://www.ichiken.org/
東京医科歯科大学卒業後、都立墨東病院、東京逓信病院等勤務を経て、2004年に東京医科歯科大学臨床教授に就任。以降、東京逓信病院副院長、新山手病院生活習慣病センター長を歴任し、2015年より現職。日本医学会評議員をはじめ、日本内科学会、日本肥満学会(名誉会員)、日本糖尿病学会(功労評議員)、日本生活習慣病予防協会(理事長)、日本肥満症予防協会(副理事長)などを務めている。